シンデレラに恋のカクテル・マジック
「こ、今年で二十三歳になります」
「そうか。そこのソファに一緒に座ろう」
良介がデスク横の黒い革張りのソファを示し、菜々は祖父が座ってから、横にちょこんと腰を下ろした。
「あの、ご病気と伺いましたが、お加減はいかがでしょうか」
菜々がおずおず口を開くと、良介が相好を崩した。
「不整脈でな。医者に勧められてペースメーカーを埋め込んだ。手術後一ヵ月は入院しろと言われたが、二週間で退院した。ここにいる方が落ち着く。私の城のようなものだからな。そのうち仕事にも復帰するつもりだ」
「そ、そうですか……」
祖父の言葉を聞いて、菜々は拍子抜けしてしまった。
(和倉さんの話だと、危篤みたいな感じだったけど……?)
今日明日の命なのだと思い込んでいたが、あれは菜々の勘違いだったのだろうか。
「お元気そうでよかったです」
「菜々も元気そうだな。両親のいない今、どうしておる?」
「えっと……」
バイト三昧の生活だということは言わない方がいい、と一臣に忠告されている。菜々が返答に困って黙っていると、良介が言った。
「そうか。そこのソファに一緒に座ろう」
良介がデスク横の黒い革張りのソファを示し、菜々は祖父が座ってから、横にちょこんと腰を下ろした。
「あの、ご病気と伺いましたが、お加減はいかがでしょうか」
菜々がおずおず口を開くと、良介が相好を崩した。
「不整脈でな。医者に勧められてペースメーカーを埋め込んだ。手術後一ヵ月は入院しろと言われたが、二週間で退院した。ここにいる方が落ち着く。私の城のようなものだからな。そのうち仕事にも復帰するつもりだ」
「そ、そうですか……」
祖父の言葉を聞いて、菜々は拍子抜けしてしまった。
(和倉さんの話だと、危篤みたいな感じだったけど……?)
今日明日の命なのだと思い込んでいたが、あれは菜々の勘違いだったのだろうか。
「お元気そうでよかったです」
「菜々も元気そうだな。両親のいない今、どうしておる?」
「えっと……」
バイト三昧の生活だということは言わない方がいい、と一臣に忠告されている。菜々が返答に困って黙っていると、良介が言った。