シンデレラに恋のカクテル・マジック
一臣に話しかけられて、菜々は右側に座る彼にチラリと視線を投げた。
「本当は今すぐにでも帰りたいです。父のことを認めてくれたのかもと期待していたので。それより、和倉さんも大変ですね。秘書でもないのに孫娘のお守りまでさせられて」
菜々のつんつんした口調にもかかわらず、一臣は笑って答える。
「慣れています」
一臣の返事を聞いて菜々は考える。
(大企業で働くってこんなものなの? それともおじい様が特別?)
眉を寄せる菜々を見て、一臣がいたずらっぽく笑って言う。
「でも、菜々さんといると息抜きができますから」
彼がそんなふうに楽しげに笑ったのを見たのは初めてで、菜々の気持ちが少し和んだ。
「それは仕事がサボれるってことですか?」
「ええ、まあ。僕がこんなことを言っていたってことは、社長には内緒にしておいてくださいね」
一臣に目配せされて、菜々は思わず微笑んだ。
(なんだか共犯みたい。永輝さんは和倉さんのことを警戒してたけど、永輝さんの取り越し苦労よね。だって、一臣さんってすごく優しくていい人みたいだもん)
「本当は今すぐにでも帰りたいです。父のことを認めてくれたのかもと期待していたので。それより、和倉さんも大変ですね。秘書でもないのに孫娘のお守りまでさせられて」
菜々のつんつんした口調にもかかわらず、一臣は笑って答える。
「慣れています」
一臣の返事を聞いて菜々は考える。
(大企業で働くってこんなものなの? それともおじい様が特別?)
眉を寄せる菜々を見て、一臣がいたずらっぽく笑って言う。
「でも、菜々さんといると息抜きができますから」
彼がそんなふうに楽しげに笑ったのを見たのは初めてで、菜々の気持ちが少し和んだ。
「それは仕事がサボれるってことですか?」
「ええ、まあ。僕がこんなことを言っていたってことは、社長には内緒にしておいてくださいね」
一臣に目配せされて、菜々は思わず微笑んだ。
(なんだか共犯みたい。永輝さんは和倉さんのことを警戒してたけど、永輝さんの取り越し苦労よね。だって、一臣さんってすごく優しくていい人みたいだもん)