シンデレラに恋のカクテル・マジック
菜々がそんなことを思っている間に、車は六本木ヒルズのメインストリートである六本木けやき坂通りを走り、近代建築が多く集まる上野公園周辺を抜けた。そして路肩に寄せられた車の中で、菜々は空高くそびえる東京スカイツリーを窓から見学する。
「さすがに高いですねぇ……あべのハルカスの倍以上あるんですもんね……」
菜々は感心しながら言った。抜けるように高い青空を背景にした、わずかに青みがかった繊細な白色が美しい。近未来的なデザインなのに、街に馴染んで見える。
「自立式電波塔としては世界一の高さですからね。本当に上らなくていいんですか?」
「はい。きっと混んでいるでしょう? 夕食の時間に遅れたら、またおじい様を怒らせそうですから」
「そうですね。そろそろ戻った方が賢明でしょうね」
そうして菜々は車外へ出て東京の繁華街の夏を体感することなく、まだ夕暮れには少し早い青空の下、車は帰路についた。
「さすがに高いですねぇ……あべのハルカスの倍以上あるんですもんね……」
菜々は感心しながら言った。抜けるように高い青空を背景にした、わずかに青みがかった繊細な白色が美しい。近未来的なデザインなのに、街に馴染んで見える。
「自立式電波塔としては世界一の高さですからね。本当に上らなくていいんですか?」
「はい。きっと混んでいるでしょう? 夕食の時間に遅れたら、またおじい様を怒らせそうですから」
「そうですね。そろそろ戻った方が賢明でしょうね」
そうして菜々は車外へ出て東京の繁華街の夏を体感することなく、まだ夕暮れには少し早い青空の下、車は帰路についた。