シンデレラに恋のカクテル・マジック
第十一章 叔母の心
その夜は悩みすぎてなかなか寝つけなかったせいか、目覚めたときにはカーテンの外はずいぶん明るくなっていた。
(今、何時……?)
携帯電話の時刻表示を見て愕然とする。
「大変っ」
もう午前九時だ。
(和倉さん、朝、迎えに来てくれるって言ってなかったっけ……?)
とはいえ、彼が来てくれても、プロポーズの返事をしなければいけないのだが、結局まだ答えは出せていない。心は永輝さんに囚われたままなのに、ほかの男性と結婚するなんてできない。けれど、このまま永輝さんを想い続けるのは苦しすぎる……。そんな考えがぐるぐると頭を巡るうち、いつの間には眠ってしまっていのだ。
(でも、今から大阪に戻っても予備校の仕事には間に合わないかぁ……)
事務長が出勤してくるのは十時だから、それまでは予備校に電話をかけても誰も出ない。
(もう何もかもメチャクチャだわ……)
深い淀みにでもはまり込んでしまったようだ。そんな沈んだ気持ちのまま、菜々は昨晩吉村が用意してくれたパジャマからKH+のワンピースに着替えた。ゲストルームの洗面所で顔を洗ってメイクをしてから部屋を出る。誰もいない静かな廊下を歩いてダイニングに行くと、足音に気づいてキッチンから吉村が出てきた。
(今、何時……?)
携帯電話の時刻表示を見て愕然とする。
「大変っ」
もう午前九時だ。
(和倉さん、朝、迎えに来てくれるって言ってなかったっけ……?)
とはいえ、彼が来てくれても、プロポーズの返事をしなければいけないのだが、結局まだ答えは出せていない。心は永輝さんに囚われたままなのに、ほかの男性と結婚するなんてできない。けれど、このまま永輝さんを想い続けるのは苦しすぎる……。そんな考えがぐるぐると頭を巡るうち、いつの間には眠ってしまっていのだ。
(でも、今から大阪に戻っても予備校の仕事には間に合わないかぁ……)
事務長が出勤してくるのは十時だから、それまでは予備校に電話をかけても誰も出ない。
(もう何もかもメチャクチャだわ……)
深い淀みにでもはまり込んでしまったようだ。そんな沈んだ気持ちのまま、菜々は昨晩吉村が用意してくれたパジャマからKH+のワンピースに着替えた。ゲストルームの洗面所で顔を洗ってメイクをしてから部屋を出る。誰もいない静かな廊下を歩いてダイニングに行くと、足音に気づいてキッチンから吉村が出てきた。