シンデレラに恋のカクテル・マジック
「だから……疑り深いかもしれないけど……もしかしたら、父は秘蔵っ子の和倉くんを菜々さんと結婚させることで、彼を後任にしようとしているんじゃないかと思ったんだけど」
「おじい様が私と和倉さんを、ということですか?」
「ええ」
「それは……ないと思います」
菜々の言葉に、由香里が上品に首を傾げる。
「どうしてそう思うの?」
「和倉さんの方から……おじい様にプロポーズをする許可をもらったと言ってました」
「そうなの……。じゃあ、私の思い過ごしね。ごめんなさい、忘れてちょうだい」
由香里が申し訳なさそうに言った。
「いいえ……」
「それで菜々さんはどうするの?」
それは菜々自身も迷っていることだ。
「わかりません。どうしていいかわからなくて……。まだ永輝さんのことが好きなのに、和倉さんのプロポーズを受けるのは間違っていると思うけど……」
「でも、断れそうにない?」
「はい」
「父が和倉くんを気に入っているからよね」
「はい。さっき和倉さんが祖父の秘蔵っ子っておっしゃいましたよね?」
「そうよ。本当に優秀だし、息子のようにかわいがっているみたい。私は彼が次の副社長、そしてゆくゆくは社長になっても構わないと思うんだけど……」
「おじい様が私と和倉さんを、ということですか?」
「ええ」
「それは……ないと思います」
菜々の言葉に、由香里が上品に首を傾げる。
「どうしてそう思うの?」
「和倉さんの方から……おじい様にプロポーズをする許可をもらったと言ってました」
「そうなの……。じゃあ、私の思い過ごしね。ごめんなさい、忘れてちょうだい」
由香里が申し訳なさそうに言った。
「いいえ……」
「それで菜々さんはどうするの?」
それは菜々自身も迷っていることだ。
「わかりません。どうしていいかわからなくて……。まだ永輝さんのことが好きなのに、和倉さんのプロポーズを受けるのは間違っていると思うけど……」
「でも、断れそうにない?」
「はい」
「父が和倉くんを気に入っているからよね」
「はい。さっき和倉さんが祖父の秘蔵っ子っておっしゃいましたよね?」
「そうよ。本当に優秀だし、息子のようにかわいがっているみたい。私は彼が次の副社長、そしてゆくゆくは社長になっても構わないと思うんだけど……」