シンデレラに恋のカクテル・マジック
菜々は一臣の話を思い出しながら、おずおずと言う。
「でも、和倉さんは、叔母様が爽介くんを社長の後継ぎにと期待して、アメリカの大学に通わせたがってる、というようなことを言っていましたけど……」
菜々の言葉を聞いて、由香里がおかしそうに笑い声を上げた。
「和倉くんがそんなことを言ってたの?」
「はい」
「それはないわ」
「どうしてですか?」
「爽介が……息子がそれを望んでいないから」
菜々は瞬きをした。
「爽介はテニスが大好きで、まだ中学生なんだけど、将来の夢はプロ・テニス・プレイヤーって決めてるのよ。テニス留学だってしたがってる。私はもちろん応援したいと思っているわ。でも、父がねぇ」
由香里がため息をついて続ける。
「血縁にこだわりすぎるから。〝テニスばかりしとらんと経営学を学べ〟だなんて言うのよ。爽介はまだ中学二年生なのに。ホント、いつまで経っても頭は固いまま」
由香里が小さく首を振った。
「でも……叔母様がいれば、爽介くんは夢を叶えられそうな気がします」
「そうかしら」
「はい。爽介くんには叔母様というお母様がいて、うらやましいです」
「でも、和倉さんは、叔母様が爽介くんを社長の後継ぎにと期待して、アメリカの大学に通わせたがってる、というようなことを言っていましたけど……」
菜々の言葉を聞いて、由香里がおかしそうに笑い声を上げた。
「和倉くんがそんなことを言ってたの?」
「はい」
「それはないわ」
「どうしてですか?」
「爽介が……息子がそれを望んでいないから」
菜々は瞬きをした。
「爽介はテニスが大好きで、まだ中学生なんだけど、将来の夢はプロ・テニス・プレイヤーって決めてるのよ。テニス留学だってしたがってる。私はもちろん応援したいと思っているわ。でも、父がねぇ」
由香里がため息をついて続ける。
「血縁にこだわりすぎるから。〝テニスばかりしとらんと経営学を学べ〟だなんて言うのよ。爽介はまだ中学二年生なのに。ホント、いつまで経っても頭は固いまま」
由香里が小さく首を振った。
「でも……叔母様がいれば、爽介くんは夢を叶えられそうな気がします」
「そうかしら」
「はい。爽介くんには叔母様というお母様がいて、うらやましいです」