シンデレラに恋のカクテル・マジック
(私……消去したつもりはないけど……)
何かが引っかかる。そう思ったとき、部屋のドアがノックされた。
「はい」
吉村さんが呼びに来たのかな、と思ったが、菜々の返事に答えたのは一臣の声だった。
「菜々さん、こんにちは」
「わ、和倉さん」
こんなに早く彼が訪ねてくるとは思ってもみなかった。
「お、お早いですね」
「ええ、菜々さんに早く会いたくて、久しぶりに定時で仕事を終えました。開けてもらえますか?」
(どうしよう、まだ永輝さんに気持ちを伝えられてない)
菜々はうろたえながら立ち上がってドアに近づいた。
「あの、もう少し待ってください」
「どのくらいですか? 僕は菜々さんの顔が見たくてたまらないのですが。朝だって声しか聞かせてくれなかった」
少し不満そうな一臣の声が聞こえてきた。
「あの、五分、五分だけ待ってください」
「五分ですか。仕方ありませんね。それ以上は待てませんよ」
「すみません」
何かが引っかかる。そう思ったとき、部屋のドアがノックされた。
「はい」
吉村さんが呼びに来たのかな、と思ったが、菜々の返事に答えたのは一臣の声だった。
「菜々さん、こんにちは」
「わ、和倉さん」
こんなに早く彼が訪ねてくるとは思ってもみなかった。
「お、お早いですね」
「ええ、菜々さんに早く会いたくて、久しぶりに定時で仕事を終えました。開けてもらえますか?」
(どうしよう、まだ永輝さんに気持ちを伝えられてない)
菜々はうろたえながら立ち上がってドアに近づいた。
「あの、もう少し待ってください」
「どのくらいですか? 僕は菜々さんの顔が見たくてたまらないのですが。朝だって声しか聞かせてくれなかった」
少し不満そうな一臣の声が聞こえてきた。
「あの、五分、五分だけ待ってください」
「五分ですか。仕方ありませんね。それ以上は待てませんよ」
「すみません」