シンデレラに恋のカクテル・マジック
「ご用のある方は、ピーッという発信音の後にメッセージをどうぞ」
直後、ピーッと甲高い音がして、メッセージの録音が始まった。菜々はあわてて口を開く。
「あのっ、永輝さん。永輝さんは私一人じゃ満足できないのかもしれないけど、私は永輝さんが大好きです。永輝さんだけが……好きなんです……」
菜々の目にじわじわと熱いものが浮かび、一筋の涙となって頬を伝った。相手は留守番電話だけれど、彼に対する想いを吐き出したことで、自分の気持ちを再認識してしまった。
(やっぱり私、永輝さんが好き……)
吹っ切れるどころか、言葉にしたとたん彼への想いが湧き上がってきた。もう一度彼に会いたい。涙を拭ったとき、部屋のドアがガチャリと開いた。ハッとして顔を向けると、険しい表情をした一臣が立っている。
「和倉さん?」
菜々が驚いて立ち上がるよりも早く、彼がベッドに歩み寄り、菜々の両肩に手を置いた。
「あの、すみません、まだ」
電話中です、と言う間もなく、彼に乱暴に肩を押されてベッドに倒れ込んだ。
「きゃっ」
起き上がろうと右肘をついたところに、一臣がベッドに片膝を乗せて言う。
直後、ピーッと甲高い音がして、メッセージの録音が始まった。菜々はあわてて口を開く。
「あのっ、永輝さん。永輝さんは私一人じゃ満足できないのかもしれないけど、私は永輝さんが大好きです。永輝さんだけが……好きなんです……」
菜々の目にじわじわと熱いものが浮かび、一筋の涙となって頬を伝った。相手は留守番電話だけれど、彼に対する想いを吐き出したことで、自分の気持ちを再認識してしまった。
(やっぱり私、永輝さんが好き……)
吹っ切れるどころか、言葉にしたとたん彼への想いが湧き上がってきた。もう一度彼に会いたい。涙を拭ったとき、部屋のドアがガチャリと開いた。ハッとして顔を向けると、険しい表情をした一臣が立っている。
「和倉さん?」
菜々が驚いて立ち上がるよりも早く、彼がベッドに歩み寄り、菜々の両肩に手を置いた。
「あの、すみません、まだ」
電話中です、と言う間もなく、彼に乱暴に肩を押されてベッドに倒れ込んだ。
「きゃっ」
起き上がろうと右肘をついたところに、一臣がベッドに片膝を乗せて言う。