シンデレラに恋のカクテル・マジック
「菜々ちゃん、おかえり」
「永輝さん、ただいま」
間接照明のほのかな明かりの中、永輝に真剣な目で見つめられてドキドキしてしまい、菜々は頬を染めて彼の肩の向こうへと視線を移した。窓からはレースのカーテン越しに、すっくと高いあべのハルカスの明かりが見える。
「俺を見ずに何を見てるんだ?」
永輝に訊かれて、菜々は視線を彼に戻した。
「あ、えっと、大阪に戻ってきたんだなぁって」
「ああ」
永輝が振り返ってハルカスを見てから、いたずらっぽく言う。
「菜々ちゃんが戻ってきたのは大阪? それとも俺の腕の中?」
「そんなの……言わなくてもわからない?」
「わからないなぁ」
永輝にとぼけたように言われて、菜々は頬を膨らませる。
「意地悪」
「言ってほしい。俺が不安にならないように」
「永輝さんでも不安になるの?」
見上げた菜々を、彼が切なげに見下ろした。
「なるさ。本気で好きだから余計に。この二日間、キミを失うんじゃないかと思ったら、居ても立ってもいられなかった。俺が目を離しているうちに大切な人を奪われるのは、もう嫌なんだ」
「永輝さん、ただいま」
間接照明のほのかな明かりの中、永輝に真剣な目で見つめられてドキドキしてしまい、菜々は頬を染めて彼の肩の向こうへと視線を移した。窓からはレースのカーテン越しに、すっくと高いあべのハルカスの明かりが見える。
「俺を見ずに何を見てるんだ?」
永輝に訊かれて、菜々は視線を彼に戻した。
「あ、えっと、大阪に戻ってきたんだなぁって」
「ああ」
永輝が振り返ってハルカスを見てから、いたずらっぽく言う。
「菜々ちゃんが戻ってきたのは大阪? それとも俺の腕の中?」
「そんなの……言わなくてもわからない?」
「わからないなぁ」
永輝にとぼけたように言われて、菜々は頬を膨らませる。
「意地悪」
「言ってほしい。俺が不安にならないように」
「永輝さんでも不安になるの?」
見上げた菜々を、彼が切なげに見下ろした。
「なるさ。本気で好きだから余計に。この二日間、キミを失うんじゃないかと思ったら、居ても立ってもいられなかった。俺が目を離しているうちに大切な人を奪われるのは、もう嫌なんだ」