シンデレラに恋のカクテル・マジック
どうしようもなく悲しくてやるせなくて、菜々は込み上げてくる涙を必死に抑える。
「菜々ちゃんは恥ずかしがり屋だからな。人前で抱きしめられてびっくりしてるんだよ。まあ、こういうわけだから、穂乃花は何も気にするな。智宏と幸せになれ」
すべての感情を押し殺したような声で永輝が言った。
「永輝くん……ごめんね」
「なんで謝るんだよ。俺は今幸せなんだ。菜々ちゃんと出会えたのは穂乃花と別れたからだ。だから、気にするなって」
「そう……。それなら本当によかった。智宏くんもずっと気にしてたから」
「二人とも律儀だな。俺は俺で毎日楽しくやってるんだから。な?」
永輝が言って、菜々の頬に自分の頬をこすりつけた。その様子を見て、穂乃花が顔を赤らめながらグラスを口に運んだ。
「なんか……気に病む必要なかったのかな……?」
「当たり前だ。智宏にも〝お幸せに〟って言っておいてくれ」
「ありがとう……。今日、思い切って永輝くんに会いに来てよかった」
穂乃花がグラスをコースターに置いて続ける。
「智宏くんのプロポーズにイエスって答えたものの、裏切ってしまった永輝くんのことを思うと、私だけ幸せになっちゃいけない気がして……」
「菜々ちゃんは恥ずかしがり屋だからな。人前で抱きしめられてびっくりしてるんだよ。まあ、こういうわけだから、穂乃花は何も気にするな。智宏と幸せになれ」
すべての感情を押し殺したような声で永輝が言った。
「永輝くん……ごめんね」
「なんで謝るんだよ。俺は今幸せなんだ。菜々ちゃんと出会えたのは穂乃花と別れたからだ。だから、気にするなって」
「そう……。それなら本当によかった。智宏くんもずっと気にしてたから」
「二人とも律儀だな。俺は俺で毎日楽しくやってるんだから。な?」
永輝が言って、菜々の頬に自分の頬をこすりつけた。その様子を見て、穂乃花が顔を赤らめながらグラスを口に運んだ。
「なんか……気に病む必要なかったのかな……?」
「当たり前だ。智宏にも〝お幸せに〟って言っておいてくれ」
「ありがとう……。今日、思い切って永輝くんに会いに来てよかった」
穂乃花がグラスをコースターに置いて続ける。
「智宏くんのプロポーズにイエスって答えたものの、裏切ってしまった永輝くんのことを思うと、私だけ幸せになっちゃいけない気がして……」