異世界の国を救う時間があるなら本を読みます。
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「ここかな、なかなか立派な図書館だね」
赤茶レンガの壁が美しい。
明治時代に建てられた洋風の建物…みたいな感じだ。
中に入ると、そこは一部屋しかなかった。
「おお…壁が本で覆われている」
星々は思わず感嘆した。
ドーム状の部屋の壁に設置してある本棚に、本がぎっしりと詰まっている。
天井ギリギリまで本があって、星々はあんな高いところの本をどうやって手に取るのかと疑問を抱いた。
しかし、その疑問に答えるように一人の男性が本を取ろうと行動した。
「密接眼(スコープ)…お、あったあった、『オールエル歴史書』…空手(エアハンド)…」
呪文を唱えて目当ての本を探し当て、またまた呪文を唱えて高い場所にある本を取る…。
一連の行為が星々を驚かせた。