異世界の国を救う時間があるなら本を読みます。
そして出来上がったのが、どこか達観した面持ちを見せる5歳の俺だった。
5歳の頃、両親や両親の知人はもう俺に教えることは全て教えたと言い放った。
俺はいろいろ教わって知り過ぎたせいで、もっと物事を理解したいという欲望に駆られた。
いくら理解が早すぎる聡い子供でも、5歳故に好奇心や探究心には負ける。
そこで、「あの人たちからではなく、別の人からいろいろ教わろう」という考えに至ったわけだ。
しかし、両親たちによってある意味魔改造された俺を気味悪がる大人は多い。
「教えて、教えて」と願い請うても、冷たい視線を浴びせられるだけで、取り付く島もなかった。
よって、俺が『本の虫』に成り下がることも想像できよう。