だからそっちの"好き"じゃない!
昼休み

「優奈」

そう言って私の方にくる流可。

その姿を見て、私はなぜか焦ってしまう。

「あっ…そのっ……舞っ!ちょっと来て!」

「えっ、ちょ、優奈!?」

私は舞を引っ張って、

流可の横をさっと通り過ぎる。

「え、優奈…?」

流可の声が聞こえたけど

立ち止まってなんかいられないっ!

私は前も来たように屋上に駆け上り、

舞を離してはあはあと荒い息をはいた。

「はぁ……で?優奈、どうしたわけ?」

舞がそう言って腕組み。

そ、そういえばとっさに…

「ご、ごめん…」

「…いいけど、どうしたのよ?」

舞の問いかけにつまってしまう。

「…ん?言ってみなさい?」

「…実はね」

そう言って全て話した。

流可を見るとドキドキすること、

昨日そのせいで振り払ってしまって

謝って許してもらったけど、

私自身がなにか引っかかっていること…。
< 111 / 255 >

この作品をシェア

pagetop