だからそっちの"好き"じゃない!
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「わあ!お店いっぱいあるよ!
ねえ流可なに食べる!?」

すっかり興奮した私は

屋台を見回しながら流可にそう言う。

「…食べる前提ってとこが優奈らしい」

そう言ってフッと笑う流可。

「もー…バカにしてる??」

「まさか」

そう話してるときに目に留まったのは…

「りんご飴!食べたくない?」

「へー、なんか懐かしい。
じゃ、こけないように頑張って」

「こけないよっ」

そう言って下駄に気をつけながら流可と歩く。

ようやく屋台にたどり着き、

お店のおじさんに声をかけた。

「すみませーん!りんご飴の小さいのください!」

「はいよっ」

おじさんにりんご飴を渡してもらい、

お金を渡そうとすると…

「流可、今日ぐらいはいいよ…」

「いいから」

…結局流可に払ってもらってしまった。
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