だからそっちの"好き"じゃない!
ドキン……

「…キザ」

そう言う男の子に流可が一言。

「とか言ってるけど、これ好きな女の子とかにやったら絶対モテるから」

「ちょ、流可ったらなに言ってるのよ」

私がそう言うと

流可はまたにっこりして

男の子たちに言う。

「…まあこのお姉ちゃんには通じないんだけどさ」

「ちぇー、意味ないじゃんっ!」

「このお姉ちゃんだけね。ほら、イレギュラーってやつ」

流可はそう言うと

男の子たちの頭を順々に撫でる。

「じゃ、みんなも頑張れー」

「…お兄ちゃんがだろっ!」

男の子たちはそう言うと去っていった。

「…流可ったら。
変なこと吹き込んじゃダメでしょ?
あんなの小学生の男の子が言ってたらびっくりするよ」

そう言うと流可は私の方を見る。

「恋のアドバイスって言ってほしいな」

「はいはい。…あっ、ねえねえ次綿あめ食べない!?」

「…優奈、そういやりんご飴は?」

「食べちゃった」

「……」

「ね、行こっ?」

私はそう言うと

流可の手を引いて

綿あめの屋台に向かった。
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