だからそっちの"好き"じゃない!
綿あめを買った時、いい情報をゲット。

「流可っ、あとで花火あるんだって!
見に行こっ?」

「へぇ、いいな。行こうか」

そう、花火!

「6時かららしいんだけど、もうすぐだよね…」

「もう5時53分だから、移動してたら始まるかな」

流可が時計を見ながらそう言う。

「そっか。じゃあ行く?」

「うん」

そうして歩き始めた私たち。

私は片手に綿あめを持って、

懸命にこけないように、

はぐれないように必死。

するとスッと流可が手を差し出した。

「…手、繋いでおいた方がいいだろ?」

そう言って微笑む。

ドキン…ドキン…ドキン…

「う…うん…」

私はそう言って

そっと流可の手と自分の手を重ねる。

「…行こうか」

「…うん」

そう言ってまた足を進める。

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