だからそっちの"好き"じゃない!
「…優奈、綿あめの棒捨ててきたら?」

俺がそう言うとそういえば、と割り箸を見る優奈。

「じゃあちょっと行ってくるねっ」

優奈はそう言うと足早に去っていった。

「…あいつ、きれーになったな?
マジで惚れ直した」

陵の言葉に眉を寄せる俺。

「ははっ、流可、顔怖ぇ」

「…うるせぇ」

そう言うとフッと笑う陵。

「…アゲインだな〜、あいつの取り合い」

陵はニヤッと笑ってそう言い俺を見る。

「…優奈はものじゃねぇ。
取り合うとか、そんなこと俺はしないししたくもねぇよ」

俺がそう言うと陵はヒュウ、と口笛。

「…自信満々だな。取られないと思ってんの?…まあ見てろ?ぜってぇそんなこと言ってられねぇだろうから」

陵はそう言うと優奈が去っていった方を追いかけていった。

俺はその後ろ姿を見て拳を握りしめていた。
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