だからそっちの"好き"じゃない!
「…わっかんなーい…」

黒板から目をそらしてそう呟くと、陵君がクスッと笑う。

私は苦笑いを返して再び黒板を見た。

…何回見てもわかんないよ…

すると、

「じゃあ…神城」

「は、はいっ!」

そう返事をしてガタッと立ち上がる。

「お、新学期早々やる気満々か??」

「い、いえっ」

私の返事と共にドッと笑いが起こる。

うぅ…

「で、神城。3番答えてみろ」

「え、えーと…」

ま、まずい…

…まったくわかんない!!

そう思って焦りまくっていると、

スッと隣からノートが差し出された。

…ん?

サッと目を通すとそれらしき答えが書いてある。

私は藁にもすがる思いですかさずそれを答えた。

「(−6x+3)y+(x^2+ーx−2)です!!」

わけわかんないけどなんかそうっぽいし、

今はこれしか解答がない!

「…よし、正解だ」

ほっ…

私は安堵のため息をついて席に着く。
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