だからそっちの"好き"じゃない!
「…で、優奈。お前は今日デートに行くのか?」

そう言って鬼のような形相で

聞いてくるお兄ちゃん。

「お兄ちゃん顔怖いよ?
私今日はスイーツ食べに行くの」

「そーかそーか!スイーツか!可愛いな〜!」

そう言って私の頭を撫でるお兄ちゃん。

…そう、お兄ちゃんはシスコンです。

中学になるまで

お兄ちゃんがシスコンっていうのには

気づかなかったんだけど、

ある日友達が遊びに来て、

「お兄さん、シスコンなんだね」

って言われて気づいた。

…重度のシスコンらしい。

「優奈、準備できた?」

「うん、待たせてごめんね?
行こっか」

そう言って流可が差し出した手を握ろうとすると…

「…おいコラ、なにちゃっかり手ェ繋ごうとしてんだ?」

「…スミマセン」

スパッと切られてそれは無くなった。

「じゃあ行ってくるね。
お兄ちゃん大学何時から?」

「ああ、午後からだ。
鍵持っておけな?家入れないぞ〜」

「はーいっ」

私はお兄ちゃんに言われた通り鍵

掛けから鍵を取って家を出た。
< 15 / 255 >

この作品をシェア

pagetop