だからそっちの"好き"じゃない!
「…なんでここまで鈍感なのかな」

「…はい?」

「…あーもーいーわよ…」

「そ、そう…」

私はそう返して最後の卵焼きを口に入れ、

陵君の方を見る。

…やっぱり陵君みたいなのって

みんなから好かれるタイプだよね。

ああいうのってかっこいいな〜。

そう思っていると、

教室に流可と秋君が来た。

「…優奈」

「あ、な、なに??」

そう言ってどぎまぎしながら流可を見る。

…別に普通…な気がするんだけど…

「…数学の教科書、貸してくんない?」

「教科書ね、ちょっと待って〜」

「…ああ、サンキュ」

流可の返事に頷いて

一度席を立って自分の机に。
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