だからそっちの"好き"じゃない!
流可side

昼休み。

久しぶりに購買に行こうと教室を出ると、

…偶然なのか待っていたのか、

廊下で陵と会った。

「…よお流可」

「…」

無視して通り過ぎようとすると、

陵は不意ににやっとして口を開く。

「今日の朝聞いたんだけど…
…優奈ってさ、別に流可が好きなわけじゃねぇんだな」

陵の言葉に少し胸を痛めたけど、

すぐに陵を睨む。

「…だから?」

「別に?ってか完全に両思いだと思ってたわけだけど、違うんなら俺でもいけるよな?」

「…無理だな、絶対。
優奈がお前なんかになびくはずな…「だけどさぁ」

陵がそう言って

再び意地の悪い笑みを浮かべる。
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