だからそっちの"好き"じゃない!
私はそう返事をしてバックを持つと玄関に向かった。


「優ちゃん」

「陵君っ、お待たせ〜」

そう言って門扉を開けて家を出る。

「今日はどこ行くの??」

「ああ、そうだ。
優ちゃんさ、いつも流可とはどこ行ってるの?」

「え?流可と…?」

なんで?とは思ったけど微笑んで答える。

「ええと、だいたいケーキ食べたりとかかな」

そう言うと陵君はふぅん…と言って口を開く。

「前から好きだったよね、スイーツ」

「うんっ、よく覚えてたね!」

そう言うと陵君はフッと微笑む。

「優ちゃんのことならなんでも覚えてるよ。
で、それなら今日もスイーツショップ行く?」

「…いいの!?」

そう言って目をキラキラさせるとうん、と頷く陵君。

「…じゃ、行こうか」

「うんっ」

私はそう言ってルンルンで陵君と歩き出した。
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