だからそっちの"好き"じゃない!
「にしてもまた言い合ってたの?」

「うーん、まあ」

「も〜…
それにしても早かったね。
私昼からかと思ってた」

「あーそれなんだけど…」

流可が私の方を見て少し微笑む。

「ケーキだけじゃなくて映画でも観に行こ?優奈、今日一日中空いてるだろ?」

映画…

「いいね、それ!じゃあ混んじゃうだろうし、早く行こうか」

そう言って手を差し出す。

「え…」

「…?行こう?」

私はそう言って流可の手を取った。

「流可、なんか顔赤い…暑いの?」

「え、あー…ちょっと暑い…ははは…」

「そっか…。映画館は涼しいだろうから早く行って涼もう?」

私はそう言って流可と一緒に歩き出した。
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