だからそっちの"好き"じゃない!
…かあああぁぁぁぁ…

「…ほら、そんなに真っ赤になっちゃって」

「うぅ…」

陵君なんか意地悪だぁ…

「…優ちゃんはキスしたこととかあるの?」

「…はい!?」

いいいいきなりなに!?!?

「…あるの?」

「…あったらいいね…」

そう言ってため息。

「へー、俺はあるけどなぁ」

…悪かったわね、こっちは初恋すらまだよ。

「…キスもまだって…ほんと守られてるんだな〜」

「…?なんのこと?」

そう言って首をかしげると、そこで玄関のチャイムが鳴る。

「あっ、流可だ!」

私はそう言ってインターホンに呼びかける。

「入って〜」

『了解』

私がルンルンでソファに戻ると、

陵君はリモコンを取ってパチっとテレビを消した。

「あ、陵君…見てたのに」

そう言うとにやっとする陵君。

「…ね、俺らで演じてみる?さっきの」

「…え?」

そう言って陵君をみると、なぜかぞくっと悪寒が走った。

な、なんだろう…

なんかいつもの陵君じゃない…

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