だからそっちの"好き"じゃない!
「どうしたの?優ちゃん。
なんか震えてるね」

「っ…り、陵君こそどうしたの…?
なんか…変だよ…?」

そう言ってぎゅっと自分の手を握る。

するといきなり陵君に押し倒された。

「ちょ、陵君?!」

「…優ちゃん、いつも流可がいるけど…
…今は俺と2人なんだよね。
どういう意味かわかる?」

ど、どういう意味って…

「わ、わかんない…っていうかもう流可来るよ?ほ、ほらこんな体勢誤解されるよ」

そう言うと陵君の目がスッと細められる。

「"流可に"誤解されるのが嫌なの?」

「え?あ、別にそう言うわけじゃ…」

「…あー…マジでイラつく…」

え?と思った次の瞬間…

「…んっ…!?」

陵君にいきなり唇を奪われた。

「りょうく…んんっ……!」

呼吸ができないほど荒くキスされ続けて、ドンっ…!と陵君を押しのけた。

「なん…で…?陵君…なんで…」

そう言いながら自分の目が潤んできたのがわかる。

…ファーストキス、だったのに…

「っ……最低っ……」

私はそう言って涙を流しながらドアの方に行く。
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