だからそっちの"好き"じゃない!
そう思った瞬間、心臓が狂ったように暴れ出す。

そして想いが溢れ出てきた。

好き…

私は流可が好き…

心の中で何度も呟く。

好き…好き……

……大好き。

鼓動の速さは止まらない。

ただ、私の考えが合っているとでもいうように鳴り続ける。

ドキンドキンドキンドキンドキンドキン…

どう…しよう…

…好き、なんて…流可が好きなんて…

私……

そう考えてからすぐ、涙が頬を伝う感覚で我に帰る。

…だけど…

…陵君にキス、された。

また涙が溢れ出す。

ドキドキしたり泣いたり、なんて忙しいんだろ。

< 167 / 255 >

この作品をシェア

pagetop