だからそっちの"好き"じゃない!
流可side

優奈…?

涙を流して部屋に駆け込んで行った優奈を呆然と見て、

ハッと気づいてバンッとリビングを開ける。

「ランボー。家壊れたらどーすんだよ?」

「…陵、てめぇ…!」

俺はガッと陵の胸ぐらを掴む。

「何した…優奈に何した…!?」

「うっわ、怖ぇ〜。流可って怒るとそうなんの?初めて知ったわ」

余裕の陵を見てグッと力を強める。

「…痛ぇな」

「…優奈のこと…お前が泣かせたんだろ」

そう言うとにやっとする陵。

「…まぁ?あまりにも流可流可ってうるせぇからイライラしたわけで。
それにしてもウブだな〜あいつ。
…お前見たことある?
あいつのあーんな泣き顔」

それを聞いて目を見開き、ガッと陵を思いっきり殴る。

倒れた陵を一瞥してゆっくりと近づいていく。

「…なあお前…死ぬ覚悟…ある?」

そう言って膝をついて再び胸ぐらをぐっと掴んだ。

さすがの陵も少し怯んだけど、そんなのどうだっていい。

…なあ?

「…陵。覚えてるか?…俺、優奈のためならなんでもするんだよ」

そう言って再びヒュッと風を切るように殴ろうとすると…
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