だからそっちの"好き"じゃない!
「覚えてないのか?
昨日お兄ちゃんどうしても大学行かなきゃなんなかったから流可が付きっ切りで優奈のこと見てくれてたんだぞ?」

「…!?えぇええええええ!?」

私はそう言ってソファから立ち上がる。

キーン!!!

お兄ちゃんがさっと耳を塞ぐ。

「おまっ、まさかほんとに記憶にないのか!?」

「ないよ!ないない!
ちょっと待ってどういうこと!?
なんで流可呼んだのーー!?」

そう言うとお兄ちゃんがため息をつく。

「なんでって…お前が呼んだんだろ…?
寝ながら」

「寝ながら!?
って!てててていうか!
昨日髪とかボサボサだったし、パジャマだったし…
…ひゃぁあああああ!!」

不意に悲鳴をあげる。

そそそそういえば私昨日変な夢見た…

流可に告白…してた…

ベットで寝ながら…

ま、まさかあれってっ…

「…はぁ…俺の可愛い妹も恋か…しかもあの流可に…」

そんなお兄ちゃんの呟きは私の声によってかき消される。

「…ひゃぁあああ!
もうやだ!やだやだやだ!!
今日学校行くっ!
流可には会いたくないっ!」

「そ、それはダメだっ!」

「なんで!?お兄ちゃんなんか嫌いっ!」

「(ガーン!)」

「もうやだぁ…」
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