だからそっちの"好き"じゃない!
そう言って流可をリビングから押し出そうとすると、

流可は逆に私を軽々と抱き上げる。

「ひゃっ!?
おおお下ろして!!
重いから!ほんと下ろして!!」

「重くないよ、全然」

「嘘つきっ、重いくせにー!!」

「だから重くないって。
それより優奈に蹴られて痛いんだけど?」

その言葉にはっと我に返って大人しくする。

「…ん、いい子」

「っ…バカァ…」

「…うん」

「…ほんっとバカ…」

「…うん」
< 239 / 255 >

この作品をシェア

pagetop