だからそっちの"好き"じゃない!
流可は優しく微笑んで私を見つめる。

「…優奈、昨日のこと、覚えてる?」

「っ…!おおお覚えてるわけないっ!!」

そう言うと流可はクスッと笑う。

そして不意に真剣な目を私に向けた。

「…優奈、正直に答えるって誓って」

「な、なに…?」

流可は微かに揺れる瞳を私に向けたまま口を開いた。

「………俺のこと…好き…?」

ドキンっ…

トクン…トクン…トクン…トクン…

心地よいリズムが胸を刻む。

「………好き」

そう口にしただけで、心臓が口から飛び出そうだった。

「…どういう意味の好き?」

そう言う流可を思わずキッと睨む。

「…知ってるくせに」

「…いや、わからない。
優奈、ちゃんと言ってほしい。
優奈はどの好きを伝えたいの?」


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