だからそっちの"好き"じゃない!
そう言ってグッと私の腕を

引き寄せる赤谷君。

「えっ、あのっ…」

「んー?戸惑ってんの?
合コンなんだからさー、これくらいすんの。オッケー?」

「あ…そう、ですか…」

そう言って苦笑い。

そ、そっか、合コンって

こんなに触れ合ったりするんだ…

「ね、みんな盛り上がってて気づかないだろうし…
この後ちょっと抜けない?」

「え?抜けるって…」

「だーかーらー」

そう言って私の耳に口を寄せる。

「二人で、ここ出よ?」

「っ…」

体がビクッとなって、

赤谷君が離れていく。

「クスッ…かーわいー。
じゃあ抜けよっか。お持ち帰り♪」

「えっ…」

返事をする暇もなく

腕を引いて立ち上がらせられる。

え、ちょっと待って、なんか…怖い…

そんな私におかまいなしに

グイグイ引っ張っていく赤谷君。

「ほら、行こ…「…誰がお持ち帰りだって?」

低い声がして顔をあげると

「あ、東城君〜。待ってたよっ」

なんと流可!!
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