だからそっちの"好き"じゃない!
そして放課後

「ふんふんふ〜ん、ルルルル〜…」

鼻歌を歌いながら手を動かし、

ふう、と息をつく。

「よし、お〜わりっ」

ホチキスで留め終わったプリントを

トントンとしてまとめて席を立つ。

「優奈、終わった?」

「えっ、流可!?」

声がしてバッと振り返ると

流可が微笑みながら

こっちを見ていた。

「い、いつからいたの?」

「ん?優奈が鼻歌歌ってたときから」

「へ、へぇ…」

み、見られてたんだ…

「って!もう5時だよ!?
ずっと待っててくれたの!?」

「とーぜん。
一人で帰せるわけないだろ?
それに図書館行ってたからちょうどよかったよ」

「そ、そうなんだ…ごめんね?」

「いーえ。そのプリント持ってくの?」

「うんっ、ちょっと待っててね」
< 54 / 255 >

この作品をシェア

pagetop