だからそっちの"好き"じゃない!
「…は?なにそれいじめじゃない」

「…やっぱりそう?」

私がそう言うと舞は呆れた目を向けてくる。

「やっぱりって、他になにがあるの…。
にしても原因はストーカー?…困ったもんね、まったく」

「い、いや、でもただ単に私がうざかったのかも…」

そう言って項垂れる。

「…んなわけないでしょ?
優奈みたいないい子をいじめるのは僻みしかないのよ。わかった?」

「…僻みってなんのよ」

そう言うと舞はため息をつく。

「だーかーらー…まあ…ストーカーもさ、一応イケメンじゃない?で、そんなのと毎日一緒にいるでしょ?だからよ」

「…なるほど」

私は納得してうんうん頷く。

「にしてもねー、どうしたものか。
とりあえず上靴とペン探そっか」

「…うん。ありがと」

「いーえ。ほら、まず落とし物のとこいこ?」

「…うんっ」

私はそう返事をして舞と一緒に教室を出た。
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