だからそっちの"好き"じゃない!
「…悪いけど今日はちょっと…流可と二人で行きたいから」

そう言うと流可がほっとしたように

微笑んで桐生さんの腕を解く。

「…じゃ、そういうことだからまた明日」

「ちょっ、東城君!!」

桐生さんの呼びかけを無視して、

流可はご機嫌で私の隣を歩く。

「る、流可?」

「んー?」

「…なんかご機嫌だね」

そう言うと一層ご機嫌になる流可。

「そ?まあ多分優奈のおかげ」

「えー?なんで?」

そう聞くと流可は私の方を向く。

「いや、優奈が俺と"二人で"行きたいって言ったから。
…独占欲?」

流可の言葉を一瞬で理解することができず、

3秒で覚醒してかぁ…と顔が熱くなる。

「…なっ…!べ、別にそういう意味じゃないよ!?」

「顔赤い」

「赤くないっ」

そこで靴箱に到着し、

開けてみると

また手紙が入っていたけれど、

今日ばかりは気にしないようにして

くしゃっと紙を丸めて捨て、

流可と一緒に

シュークリーム屋さんに向かった。
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