だからそっちの"好き"じゃない!
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「あれ、優奈。もしかして待っててくれた?」

教室に行くとちょうど流可が

出たところだった。

「あ、う、うん…」

「そっか。嬉しい」

流可はそう言って優しく笑う。

「どうした?」

「えっ?う、ううん、別に…」

「そ?…じゃ、帰るか」

「うん…」

そう返事をして歩き出す。

なんとなーくだけど…

なんかぎこちない感じがする。

私だけかな…

靴箱についてまた紙を丸めてポイっと投げる。

しかしゴミ箱から外して

ちょうど流可がきたので

さっとポケットに忍ばせた。

「優奈、行こうか」

「う、うん!」

そう言って歩き出す。

シーン……
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