だからそっちの"好き"じゃない!
な、なんでこんなに気まずいんだろ…

そう思っていると…

タッタタララララーラ〜♪ジャーンジャンっ♪

ジャズの着メロ。

「ちょっとごめんね」

「どうぞ」

流可に一言断って電話に出る。

「もしもし?」

『あ、優奈か〜?』

「…お兄ちゃん、どうかした?」

電話の相手はまたもやお兄ちゃん。

『今日お兄ちゃん遅くなるんだ……流可と過ごしてくれないか?』

…げ!

「な、なんとかできないの?」

思わず小声でそう聞く私。

だって今のこの気まずさでとか

気まずすぎる!!

『おっ!ついに流可を嫌ったか!?』

「違うよ!」

違うけど…!

『まあ夜には帰ってくるから。なっ?』

「…わかった」

『よし、いい子だ。じゃあまたな』

「…うん」
< 76 / 255 >

この作品をシェア

pagetop