だからそっちの"好き"じゃない!
「…前に頼れって言わなかった?
それか、それほど頼りねぇって思ってる?」

そう言って私の髪をスルッと撫でる。

「それ…は…」

違う。

心配させたくなくて。

不安にさせて、負担をかけたくなくて…

その思いを言う前に

流可がフイっと顔を背けた。

「…まあ責めても仕方ないか」

「流可っ、待って!違っ…」

ガチャ…

「優奈〜!早く帰れた…オラ流可てめぇなに優奈を困らせてる?」

お兄ちゃんがそう言って

私の方に駆け寄る。

「優奈、どうした?」

「べ、別に…」

そう言って顔を背ける。
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