だからそっちの"好き"じゃない!
「…出てこい」

流可が低い声でそう言うと

出てきた桐生さんたち。

「と、東城君っ…これにはわけが…!」

そう言った桐生さんを

射抜くように睨みつける流可。

「…わけ?なんの理由があってこんなことすんだよ?
黙って傍観しやがって…ふざけんなっ…!」

そう言うと再び口を開きかけた

桐生さんの胸倉を掴む。

はっと気づいた私は立ち上がって叫ぶ。

「ダメ……!!!!!」

私の声に、流可の拳がぴたりと止まった。

しかし胸倉は掴んだまま、

まっすぐ相手を射抜きながら口を開く。

「…優奈、わかってる?
こいつら、優奈に手ェ出そうとしたんだよ」

かろうじて口調だけ直して

そう言う流可。
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