だからそっちの"好き"じゃない!
「なんの話?」

流可がそう言って私の顔を覗き込んでくる。

「う、ううんっ!な、なんにもないよ!?」

そう言って目の前でぶんぶん手を横に振る。

「そ?まあ嫌なことじゃないならいいけど」

「い、嫌なことじゃない!」

「ならいいや」

流可はそう言ってフッと笑った。

その笑みにドキッとして

慌てて話題をそらす。

「そ、そういえば実はいい子だったねっ、桐生さんって!」

「…そ?」

「う、うん!」

「へえ…」

流可はそう言うと

つまらなそうにそっぽを向く。

「流可…?」

「…普通自分から他の女の子のこといい子って言うか?
俺から言って嫉妬するべきだろ」

・・・

「ななな何言ってるの!?」

「別に〜、最近言ってなかったな〜と思って」

「な、なにを…?」

そう言うと流可は優しく微笑みながら

私の方を見る。

「…好きだよ」



かぁああああああ//////

「っ…ばっ…バカぁああ!!!」

「えっ、な、なんだよ!?」

私はガタッと席を立って

教室の外に走り出た。
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