【彼氏、捨ててやります】
「杏奈ー、おはよ‼︎」
「おはよ、いお‼︎昨日は…ほんとにほんとにありがと」
「全然いいから‼︎あんなの、当たり前だよ。それに…私いつも杏奈に助けてもらってばっかりだし、頼ってばっかだから…こんなときぐらい役に立ちたいし‼︎」
ありがと、といおに笑った。
「あ、昨日彼氏にすげー泣かされてた子だ」
校門で立ち止まっていおと喋ってると、頭上からそんな声がした。
ネクタイについてるピンが黄色だから…二年生、先輩だ。
「昨日さ、たまたま一年生の階通ってたら、すげー修羅場だったからつい立ち聞きしちゃってさ♪」
この明らかにチャラそうな、涼と同じ感じのする男の人。
だがしかし、この人こそ本当のイケメンというのだろう。
まず、整いすぎた顔に見入ってしまった。