【彼氏、捨ててやります】
「もしかして、一目惚れしちゃった?」
「そっ、そんなわけないです‼︎」
必死になって言い返すと、その先輩は楽しそうに笑った。
「ちなみに、俺は2-Aの友紀 斗真(ゆうき とうま)。よろしくね♪…伊織ちゃんも」
その先輩が校舎に消えていったあと、いおがワナワナと震えていた。
「っ…ほんと許せないよ」
「いお…ごめんね、大丈夫だよ?」
「ちがうの、杏奈…あいつ、私の従兄弟なの」
え………えええええ!
「本当ありえないよ…今度会ったら本気で怒っておくから‼︎」
驚く私をよそに、いおはメラメラと何かを燃やしていた。