【彼氏、捨ててやります】
「お前じゃねーよ。城島、ちょっと来て」
「え、えっ⁈…私?」
突然のことに困惑するいお。
だって、涼といおは、一回、二回ぐらいしか喋ったことないはず…。
なんの話なのか気になるけど、とりあえず、いおに行ってもらうしかない。
「杏奈、行ってくるね…?」
「…うん」
それから、いおと涼は教室を出て行った。
なんなの…涼のやつ。
「あいつ、最低じゃん。浮気癖があるのは噂で聞いてたけど、次は…彼女の親友にまで手ぇ出すきじゃねぇの?」
二人がいなくなったあと、冷たい目をして言った浅間くん。
「…そんなこと、あるわけないじゃん‼︎」
「そうだといいけど…。ほんとに、無理すんなよ?」
「ありがと、…でも大丈夫だから」
もし…もし涼がいおに迫ったとしても、いおは、そんなことするはずない。
そう100%言い切れるもん。