【彼氏、捨ててやります】
いおを信頼してることに、変わりはない。
けど…けど、そりゃあ不安になる。
早く、帰ってきてよ、いお…。
「長谷川!…帰ってきたぞ、城島」
私を心配してか、ずっと隣に座って話をしてくれていた浅間くんが遠慮がちに言った。
「…っいお‼︎‼︎…遅かった…ね?」
「…………っ…杏奈…ごめんっ…」
めったに泣かないいおが…泣いてる。
なにがあったの…?
涼と、なにがあったの………?
聞きたいことは、いっぱいあるけど、頭が真っ白になって何も言えなかった。
ただ、いおが涙をこぼすところを見つめることしかできなかった。