【彼氏、捨ててやります】
「斗真から聞いてるよ、ヘタレ彼氏のこと」
橘先輩がそう言うと、すかさず花梨ちゃんが
「こら‼︎海斗がそんなこと言える立場じゃないでしょ?」
と橘先輩の脇を小突いた。
比較的身長の低い花梨ちゃんと、背の高い橘先輩が並ぶと、とても可愛らしいお似合いなカップルだった。
「橘先輩、花梨ちゃん、ありがとうございます。
えっと…私、用事あるので2人で食べてください‼︎」
「え?…そんな、良いんだよ気使わないで‼︎海斗となんていつでもたべれるんだし‼︎」
花梨ちゃんは、そう言いながら私の腕を掴んだ。
ほんと、花梨ちゃんは優しいなぁ。
橘先輩が羨ましくなる。
「ううん、………ほんとに、行くとこあるから‼︎」
「…ほんと?ごめんね」
教室を出ようとした時…
「長谷川ちゃん、ほんと…無理すんなよ。ほんとにキツくなったら花梨にでも、斗真にでも頼れよ?」
橘先輩がそう、言ってくれた。