【彼氏、捨ててやります】





「……杏奈、ここ廊下だぞ?…もうちょっと静かに話せよ」



涼が、まるで自分には関係ないことのように涼しげな表情でそう言った。




「………っ‼︎‼︎……何なの…もう………ほんと、今までなんで私、あんたみたいなバカで最低で人の気持ちもわかんないような奴と付き合ってたんだろ⁉︎」



「は…?人の気持ちわかんねぇのはお前の方もだろーが。
……俺が今なに考えてるかもわかんねーだろ?」



「わかるわけないじゃん‼︎…わかりたくもないよ、……あんたなんかのこと‼︎」



そのあと、涼が何かを言った。



けど、チャイムの大きな音にかき消されてなにも聞こえなかった。




それと同時に、私は逃げるようにその場から走った。





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