【彼氏、捨ててやります】
「ねぇ、なんの冗談?…なんかそういうサプライズでもするつもりなの?ごめん私今ね、…そんな余裕ないから、そうならそうっていって?」
すがるように、そう早口で言った。
お願いだから、そうだよって笑って。
そんな願いもむなしく、
「え?なんの、話?ごめん、エミと今日近くにできた遊園地行くって約束してるから、もう行くな」
といつものようにヘラヘラと笑った。
ねえ…もう、私あんたの彼女やってく自信…ないよ。
「……ほんと、もう無理」
ボソ、っとそう漏らして、握りしめた紙袋を思いっきり涼の胸元に投げつけた。
「いって、なんだよ…これ」
その瞬間、紙袋からでてきた手編みのマフラー。
それを拾い上げた涼は、
「え…これ、お前が作ったの?
…ぷっ、やっぱ不器用だな、お前。このへんとかもうほつれてるよ?
てかなんでこんなの作ったの?」
もう、やだ。
もう……………大っ嫌い。