【彼氏、捨ててやります】



「ねぇ、なんの冗談?…なんかそういうサプライズでもするつもりなの?ごめん私今ね、…そんな余裕ないから、そうならそうっていって?」


すがるように、そう早口で言った。



お願いだから、そうだよって笑って。


そんな願いもむなしく、

「え?なんの、話?ごめん、エミと今日近くにできた遊園地行くって約束してるから、もう行くな」


といつものようにヘラヘラと笑った。


ねえ…もう、私あんたの彼女やってく自信…ないよ。



「……ほんと、もう無理」

ボソ、っとそう漏らして、握りしめた紙袋を思いっきり涼の胸元に投げつけた。



「いって、なんだよ…これ」


その瞬間、紙袋からでてきた手編みのマフラー。

それを拾い上げた涼は、

「え…これ、お前が作ったの?

…ぷっ、やっぱ不器用だな、お前。このへんとかもうほつれてるよ?
てかなんでこんなの作ったの?」






もう、やだ。

もう……………大っ嫌い。








< 6 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop