【彼氏、捨ててやります】
「っ?!」
しばらくその場にうずくまっていると、急に視界にココアの缶が写り込んできた。
「え…____
「これ、飲めよ」
ココア缶の後に出てきたのは、さっき帰ったはずの斗真先輩。
なんで………?
ずっとフリーズしていると、斗真先輩の笑い声が聞こえてきた。
「いちいち笑かしてくんなよな、……俺、さっきも言ったし、この前も言ったと思うけどさ。
お前のことほっとくつもりなんてねぇし、できねぇから。
はじめは、伊織の友達だからって思ってたけど…今はそーじゃないっつーか」
「斗真、先輩……」
斗真先輩の手にあった、温かいココアが私の頭の上にのせられた。
「いただきます」
「おう」
にっと笑う斗真先輩。
「その様子じゃ…ちゃんと話したみたいだな」
こくん、と頷く。