【彼氏、捨ててやります】
確かに、今は未練なんてなにもない。
ただ怒りしか残ってない。
仕返しするなら、余計な気持ちがない今しかないかも。
「てゆうか、斗真先輩…杏奈って」
「ちゃん、ってつけんのめんどくさくなった。てかこれを機会に俺のことも斗真でいいから、ほんとに」
「……うん‼︎ありがとう、と、とと斗真‼︎‼︎」
「ふははっ、ほんとかわいいな、お前」
「……っ////お、お世辞でも免疫のない言葉には照れてしまうのでやめてください‼︎」
笑ってるときの斗真先輩…じゃなくて、斗真には、なにを言っても無駄なんだろうか…。
ひとしきり笑い終わった斗真。
「まって、もう腹筋崩壊だわ…ふははっ、てかさ敬語ももーやめてよ」
「いいんですか…?」
「所詮一歳違いだろ」
「じゃあ、お言葉に甘えて…」
「おう‼︎」
どうせなら、とことん悪者になってやろう‼︎
もう、絶対涼のせいで泣いたりしないんだから。
斗真のおかげでこんな風に思えた。
いつも元気もらってばっかりだな…。
「斗真、ほんとうにほんとうに…ありがとう」