【彼氏、捨ててやります】




錆びたドアノブを回すとギイイ、と不気味な音を立てて重たい屋上の扉が開いた。



高校上がったばかりの時は、秘密基地なんていって昼休みいつもここで涼とお弁当食べてたなぁ…。




なんて思いながらやフェンスにもたれかかるように地面に座った。




「久しぶりだな、ここくるの。ってか二人でいるのも久しぶり?」



楽しそうに笑いながら私の横に腰を下ろした涼。


「誰のせいよ」



私は自分にも聞こえないくらいの声でそう呟いた。




「…ねえ、涼。私ね、…」



斗真が考えてくれたセリフを、できるだけ感情を込めて…。


「私、いおと涼とのこと…もう聞かないから。涼が浮気しても…怒ったりしない。だから、だからね?…もう一回、やり直したい。
付き合ったばっかのときみたいに、またデートしたり…いっぱいしたい」







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