【彼氏、捨ててやります】
______
「杏奈」
「斗真‼︎」
その日の放課後、斗真が私のクラスに来てくれた。
「どー?誘えた?」
「………ん。なんとか」
苦笑いする斗真。
「よく頑張りました」
斗真はニコッと笑いながら私の頭をポンポンと撫でてくれた。
そこに…
「杏奈に触らないでもらえますか」
と、私を迎えに来た涼が斗真の腕を払った。
「そんな警戒しないでよ、二ノ宮君」
「は?なんで俺の名前知ってんだよ」
余裕そうに笑う斗真を睨む涼。
「杏奈からよく聞いてるからねー」
ね?と、斗真は私に目配せをした。